遺言を書く

遺言書作成が
あなたができる最後の気遣い

財産が少なくても
家族の仲が良くても
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行政書士ススキダ法務事務所

「うちは財産が少ないから」
「子どもがいないから揉めるはずがない」
「うちは家族の仲がいいから…」

と、遺言書を書かない人がいます。

分配する財産が多いから、相続開始後にケンカになるんでしょう?
家族の仲が悪いから、争族に発展してしまうでしょう?
そういうことには無縁だからうちは大丈夫。

でも、本当にそうでしょうか?

実は、財産が少なくても、家族仲が良くても
遺言書は書いておくべきなんです。

相続・遺言の悩み

相続問題のケースもいろいろ

ケースその1

CASE:1

兄弟姉妹同士は仲が良かったものの、長男の妻と長女の仲が悪く、裁判沙汰に発展してしまった。

ケースその2

CASE:2

被相続人がなくなった後に隠し子がいることが発覚し、手続をすすめることが出来なくなった。

ケースその3

CASE:3

相続財産の大半が不動産で、相続人の意見がまとまらず手続がすすめられなくなった。

ケースその4

CASE:4

遺産分割協議の際、行方知れずの相続人が見つかり、手続完了まで相当な時間を必要とした。

相続・遺言の悩み

とはいえ、遺言書は絶対に用意しなければならないものではありません。
話し合いさえまとまれば問題ありません。

ところが、相続が始まってみないと、
話し合いがまとまるかどうかすらわかないのです。
相続割合や相続財産などで揉めると、そこで手続きはストップします。

そんな事態を防ぐためにも、
故人の最期の意志として
遺言書は書いておくべきなのです。

そしてその遺言書は、専門家に任せましょう。

遺言書作成をプロに依頼するメリット

星5つ

ミスが少なくなり、きちんとした効力を持った遺言書が作成できる

遺言書作成は、書籍を参考にすれば誰でもできます。ですが、書き損じ、表現上の問題、相続財産の取り違いなど、せっかく作った遺言書が実際にはまるで役に立たなかった…なんてことは枚挙にいとまがありません。

プロに任せることで、法的なミスをゼロにした効力を発揮できる遺言書作成が可能に。プロだから、複雑な財産の記載方法についてもアドバイスがもらえます。

相続税対策まで考慮した遺言書が作成できる

実は、遺言書を作成することで、相続税対策ができるのをご存知でしょうか?ただし、相続税対策まで盛り込んだ遺言書を自分一人で作るのは、ほぼ不可能です。

もし相続税の負担を軽減したいのであれば、プロに依頼した遺言書を残しましょう。残される家族の負担を軽くするなら、一人で悩まずご相談を。

サービス名遺言コンサルティング
内容公正証書遺言書案の作成
価格11万円~※

※ 料金には適用条件があります。詳しくはお問い合わせください。

遺言書作成をプロに依頼するメリット

行政書士ススキダ法務事務所の強み

将来に不安や問題を残さない遺言書作成

遺言がなかったばかりに暗礁に乗り上げた相続案件や、自筆の遺言書が特定の銀行で無効とされたケースなど、様々な事例に直面し可能な限りの対処をして参りました。これらの経験をもとに、遺言者の意思を正確に反映させ、かつ将来にわたって問題を生じない遺言書の作成をサポートいたします。

個人では難しい相続税対策を盛り込んだ遺言書作成が可能

税理士と緊密に連携し、相続税対策を十分に考慮した最適な遺言書案のご提案が可能。税務の専門知識も活かし、遺産分割の最良の方法を検討し、遺言者の資産とご家族や受遺者の未来を守るための具体的な遺言書案をご提示いたします。

さまざまな士業が連携したワンストップサービス

当サービスは、相続を専門とする税理士、司法書士、行政書士、社会保険労務士といった専門家ネットワークを有しています。多角的な専門知識を活用することで、遺言者にとって最適な遺言書の作成をサポートが可能です

遺言者の資産を安心・安全に守るサポートを展開

生前対策として、後見制度や民事信託の活用、死後事務委任契約の締結など、多様な解決策をご提案。遺言者の資産管理や将来の計画に関する包括的なアドバイスを行っております。生前対策を通じて、遺言者の安心と資産保護を全面的にサポートさせていただきます。

お客様の声

お客様の声

遠隔地のおばが急に入院し、必要書類を何も準備できない中、公正証書遺言を作成いただきました。おばも、とても感謝していました。本当にありがとうございました。(T様)

お客様の声

そもそも自分には法律的に相続人がいないことや、甥への相続が遺言書無しでは不可能だということを初めて知りました。希望通りの遺言書を作成していただき、大変感謝しています。(O様)

お客様の声

家族へのメッセージ提案も含め、期待以上の遺言書を作成でき心より感謝しています。信託など、引き続きのご指導を希望しております。何卒、よろしくお願いいたします。(W様)

遺言書は自分で作ることもできます。

ですが、その遺言書が効力を発揮するものなのか、
節税効果が期待できるものなのか、自分で書くとわからないものです。

そんな時は遺言書作成のプロである
行政書士ススキダ法務事務所までお問い合わせください!

ススキダ先生

ご依頼から完了までの流れ

ご依頼の内容によっては多少異なってきますので、詳しくはお問い合わせください。

STEP1電話・メールにてお問い合わせ
STEP2手続きについて打ち合わせをします。
STEP3費用を見積もり、お客様にご確認いただきます。※ご納得いただいたうえで手続きを開始します。
STEP4遺言書の作成を開始します。
STEP5手続き完了のご報告・完了書類のお渡しをします。
ススキダ先生

遺言書が必要な理由は、
相続財産の有無ではありません。
自分の死後、残された家族が
何の問題もなく相続を終え
変わらず仲良く居続けてもらうために必要なのです。

もし、少しでも遺言のことが気になる
もうそろそろ書いたほうがいいかな
そう思われた方は、ぜひ一度お問い合わせください。

相談無料で、まずは現状や不安をお伺いさせてください。

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相続・遺言コラム

遺言執行者の業務内容や選任方法を徹底解説|必要なケースや報酬目安も紹介

遺言執行者とは、その名のとおり遺言を執行する人のことを指します。人は死後に財産を譲渡するため、生前に遺言書を作成することがあります。

しかし、遺言の効力が発生する時点で、遺言者はすでに亡くなっているため、自身で遺言内容を実行できません。そのため、遺言執行者を選定し、遺言の内容を適切に執行する必要があります。ただし、遺言執行者は相続において、必ず選定しなければならないわけではありません。

本記事では遺言執行者の義務や業務内容、また遺言執行者が必要となるケースなど、遺言執行者に関する情報を詳しく解説しています。

遺言執行者とは?

遺言執行者とは、遺言書に書かれた内容を実現するために、遺言者(遺言を書いた人)の死後その遺産を分配したり、必要な手続きを行ったりする役割を担う人のことです。

遺言書の開封は、遺言者が亡くなってから行われるものです。そのため、遺言書どおりに相続されているかどうか、遺言者は確認できません。遺言執行者という制度は、「遺言者の死後に、適切な相続が行われる」という安心を提供するものです。民法第1012条では、遺言執行者について、以下のように定めています。

第千十二条 遺言執行者は、遺言の内容を実現するため、相続財産の管理その他遺言の執行に必要な一切の行為をする権利義務を有する。
(引用:民法|e-Gov法令検索

なお、相続人は、遺言執行者による相続財産の処分や、その他遺言の執行を妨げることはできません。また、相続が発生した際に遺言執行者が亡くなっていた場合は、利害関係人(法律上の利害関係を持つ人)の請求によって家庭裁判所が新たな遺言執行者を選任できます

遺言執行者が負うべき義務

遺言執行者には、いくつかの義務があります。義務や権限は明確に定められていますので、以下で一つずつ見ていきましょう。

就職時に通知する

遺言執行者は就任した場合、遅滞なく相続人へ通知する義務を負います。民法では、以下のように定められています。

第千七条 2 遺言執行者は、その任務を開始したときは、遅滞なく、遺言の内容を相続人に通知しなければならない。
(引用:民法|e-Gov法令検索

以前の民法では、通知義務がありませんでした。そのため、相続人は遺言の内容がわからず、財産がいくらあるかわからないまま、相続手続きをとらなければならなかったのです。

このような相続トラブルを防止するため、令和元年(2019年)7月1日の民法改正では、遺言執行者による就任の通知が義務付けられました。

財産目録を作成・交付する

遺言執行者は、すべての相続人に対して財産目録を作成し、交付しなければなりません。財産目録とは、遺言者が保有する財産をすべてまとめたものです。これによって、相続手続きがスムーズに行えます。

ただし、遺言執行者が作成できる財産目録は、遺言書に記載されている財産のみです。遺言書に記載されていない財産の目録を作成する権限はありません。

遺言書の内容を実現する

遺言執行者は、遺言書に書かれた内容を、遅滞なく実現する義務を負わなければなりません。また、相続人に対して進捗報告する、問い合わせがあれば対応するなどの義務もあります。

万が一、遺言執行者が業務を怠ることで、相続人に不利益が生じた場合、損害賠償を請求される可能性もあります。

遺言執行者の業務の流れ

相続が始まってから、遺言執行者の業務は、以下の流れで行われます。

  1. 相続の開始
  2. 遺言執行者に就職した旨を伝える「就職通知」を相続人へ送付
  3. 遺言書の写しを相続人へ送付
  4. 相続財産調査・相続人調査
  5. 財産目録の作成
  6. 遺言内容の実行
  7. 業務完了の通知書を相続人へ送付

遺言内容の実行では、以下のような手続きが行われます。

  • 預貯金の解約手続き
  • 不動産名義の変更
  • 相続人の相続割合、遺産の分配
  • 遺贈受遺者に遺産の引き渡し
  • 認知の届出
  • 相続人廃除、廃除の取消しの申立て
  • 生命保険金の受取人の変更

ただし、上記は一例ですので、遺言書によっては業務内容が増える場合もあります。

このように、遺言執行者の業務は広範囲におよび、相続に関する専門知識がなければ適切な実行が難しいと言えるでしょう。相続を適切かつスムーズに行いたい場合は、行政書士や司法書士などの法律の専門家に依頼することをおすすめします。

遺言執行者が必要なケース

遺言執行者は、すべての相続において必要というわけではありません。しかし、場合によっては選任が必須となります。ここでは、遺言執行者が必要なケースについて見てみましょう。

子どもを認知したい場合

婚姻関係にない間柄で生まれた子どもを認知したい場合、遺言執行者を立てる必要があります。子どもの認知はデリケートな問題を含むため、生前ではなく、遺言書で行うことがあるのです。これを「遺言認知」と言います。

死後の認知は、遺言執行者しか届け出ができません。就任してから10日以内に届出をする必要があります。なお、子どもが認知された場合は「親子」と認められるため、認知された子どもは法定相続人になります。

特定遺贈したい場合

特定遺贈したい場合も、遺言執行者が必要です。特定遺贈とは、登録自動車を含む不動産などを、特定の財産を相続人以外の人(受遺者)に相続させることです。この特定遺贈は、遺言書に記載されていなければなりません。遺言執行者は、遺言の内容を実行し、特定遺贈された財産を受遺者に引き渡します。

遺言執行者がいることで、遺言の内容が確実に実行され、財産の分配がスムーズに行われます。特定遺贈を考える際には、信頼できる遺言執行者を選任することが重要です。

相続廃除をしたい場合

相続人の死後に相続人排除したい場合は、遺言執行者を選任しましょう。相続人廃除とは、特定の相続人から、相続する権利を奪うことです。万が一、法定相続人が相続から廃除されてしまった場合は、遺留分(法定相続人がもらえることを保証された遺産取得分)が請求できなくなります。

手続きでは、必要書類と申立書を用意し、800円の収入印紙代を準備して家庭裁判所へ申立てます。これらの業務は、遺言執行者しか行えません。

相続トラブルが起こる場合

相続人のあいだで遺産を巡ってトラブルが起きそうな場合も、遺言執行者を指定しておくことをおすすめします。相続人は、被相続人の死によって感情的になりやすいものです。そのため、冷静な判断が難しくなるケースも少なくありません。

一方、遺言執行者は中立的な立場として、感情的な対立を回避することで、円滑な話し合いを進めやすくします。

遺言執行者は誰がなれる?

遺言執行者は、以下の条件に該当しない限り、誰でもなれます。

  • 未成年者
  • 破産者

ただし、遺言書どおりに遺言を執り行う必要があるため、業務を執行できる能力を持ちあわせている必要があります。遺言執行者に指名された人が、病気や精神状態によって判断能力が乏しい場合は、適格ではありません。

遺言執行者の選任方法とは

遺言執行者の選任方法は、主に2つあります。

  • 遺言者が直接指名する
  • 家庭裁判所に申し立てて選任してもらうか

選任方法の詳しい内容を見てみましょう。

遺言者本人が指定

1つめは遺言者本人が、指定する方法です。遺言執行者としての業務を、しっかりと果たしてくれる人を選びましょう。遺言書には、以下のように、記載します。

「遺言者は、遺言執行者として次の者を指定する。
 住所 東京都〜〜区〜〜〜
 氏名 相続 太郎」

遺言執行者を引き受けてもらいたい人には、あらかじめ遺言書で指定していることを伝えておきましょう。なお、遺言執行者を決められない場合は、自分以外の人に選んでもらう旨を書いておいても構いません。

家庭裁判所で選任する方法

2つ目は家庭裁判所に選任してもらう方法です。遺言書で、誰も指定されていなかったり、指定された人が亡くなったりしている場合で、遺言執行者を立てたいなら、家庭裁判所に申し立てを行います。

家庭裁判所による選任を選んだ場合も、候補者に就任の意思を確認する必要があります。申立てにかかる収入印紙代は800円です。申立て先となるのは、遺言者の最後の住所地にある家庭裁判所です。

詳細は、裁判所のホームページから、ご確認ください。

遺言執行者の報酬とは

結論から言うと、遺言執行者の報酬に決まりはありません。遺産総額のおおよそ1%〜3%が相場となっています。報酬の決定額は、主に以下の方法で決定されます。

  • 遺言書にて報酬を定めておく
  • 相続人同士で話し合って決める
  • 家庭裁判所に決めてもらう

遺言執行者を法律の専門家に依頼する場合は、財産の取り扱いに注意が必要です。この場合、相続財産から報酬を支払うケースが一般的ですが、報酬費用は債務として控除できません。そのため、相続税の計算では、報酬分を差し引かない額で申告しましょう。

遺言執行者を選任するメリット

遺言執行者を選任するメリットは、相続手続きを円滑に進められることです。特に、法律に詳しい専門家へ依頼すれば、中立的な立場から遺言を執行できます。

相続では預貯金の払い戻しや不動産登記の変更など、さまざまな手続きが必要となります。遺言状の内容によっては法律の専門知識が求められることもあり、相続人だけで対応するのは困難となるケースもあるのです。遺言執行者を選定すれば、これらの手続きを任せられるため、相続人の負担が軽減されます。

さらに、遺言の内容によっては、遺言執行者がいなければ手続きを進められないケースもあります。そのような場合、遺言執行者の選任は必須です。遺言執行者の選任することで、相続手続きの円滑化や専門知識の活用、相続人の負担軽減など、さまざまなメリットがあります。

遺言執行者を解任したい場合の手続き

一度指名された遺言執行者でも、任務を怠った場合や、正当な事由があれば解任できます。民法では、以下のように定められています。

(遺言執行者の解任及び辞任)
第千十九条 遺言執行者がその任務を怠ったときその他正当な事由があるときは、利害関係人は、その解任を家庭裁判所に請求することができる。
(引用:民法|e-Gov法令検索

遺言執行者を解任する手続きの流れは、以下のとおりです。

  1. 「遺言執行者解任の審判」を家庭裁判所へ申し立てる
  2. 新しい遺言執行者を選ぶor相続人で相続を進める

なお、相続に遺言執行者が必要なケースの場合、新たに遺言執行者を指名する必要があります。新たに任命する場合は、遺言者の最後の住所地を管轄する家庭裁判所へ、申立てしましょう。

遺言執行者に関するQ&A

ここでは、遺言執行者において、よくある質問についてお答えします。

Q.複数の遺言執行者を選定することは可能ですか

遺言執行者の人数は、1人でも複数でも、構いません。特に人数に規定はなく、民法でも以下のように定められています。

第千六条 遺言者は、遺言で、一人又は数人の遺言執行者を指定し、又はその指定を第三者に委託することができる。
(引用:民法|e-Gov法令検索

複数の遺言執行者を選定する大きなメリットは、役割分担できる点です。例えば、法律に関することは専門家である士業に依頼し、その他の手続きは相続人に頼むことで、相続の手続きがスムーズになります。

また、万が一、選定した遺言執行者が亡くなった場合でも、他の遺言執行者が業務を引き継ぐことができます。デメリットは、1人の場合よりも報酬が多くかかること、意思決定するまでに時間がかかることなどです。複数の遺言執行者を選定する場合は、メリット・デメリットを踏まえて検討すると良いでしょう。

Q.遺言執行者を辞退する手続きを教えてください

遺言執行者に指定された場合でも、辞退できます。就任前であれば、遺言者に断りの連絡を入れるだけで問題ありません。

もちろん口頭でも可能ですが、辞退する旨を書面に残しておくのがおすすめです。記録に残しておくことで、誤解や誤伝のトラブルを防げるからです。

なお、遺言執行者として就任したあとに辞退したい場合は、正当な事由を用意し、家庭裁判所の判断を仰がなければなりません。正当な事由とは、健康や仕事、生活上、どうしてもできない理由のことです。例えば「急に病気になった」「海外出張を命じられた」「親戚の介護が必要になった」などがあります。

就任前の辞退は比較的容易ですが、就任後の辞退は難しいため、遺言執行者を引き受ける際には、慎重に検討する必要があります。

遺言執行者のことなら遺言の窓口におまかせください

遺言執行者は、遺言書に書かれた内容を、適切に執り行う人のことです。未成年や破産者でなければ、基本的に誰でも就任できますが、業務内容は複雑であり、遺言に関する専門知識が求められます。

相続に関することは、行政書士や弁護士などの「法の専門家」に依頼すれば、スムーズな相続手続きが可能です。また、第三者の中立の立場として業務を執行するため、相続人同士の争いを未然に防げます。「遺言の窓口」では、経験豊富な行政書士が、遺言執行者としての業務はもちろん、相続に関するさまざまな手続きを代行しております。円滑かつ円満に相続手続きを済ませたいとお考えの方は、お気軽にご相談ください。

遺言書作成の方法は2種類|作成手順や費用目安、依頼できる専門家を解説

遺言書は、専門家に依頼しなくても、自分で作成できます。ただし、法的に有効な書き方でなければ無効となってしまうため、注意が必要です。なお、専門家に作成を依頼する場合は、行政書士や司法書士、弁護士や公証人に相談しましょう。

本記事では、遺言書の作成方法について詳しく解説しています。また、専門家に依頼した場合の費用目安や遺言書が無効になるケース、作成に便利なツールやアプリも紹介します。遺言書作成でお悩みの方は、ぜひ最後までご覧ください。

遺言書とは

遺言書とは、被相続人(亡くなった人)が自分の死後における財産の分配方法を、生前に紙面で意思表示したものです。法に沿った様式で書かれていれば、基本的に遺産は遺言書どおりに分配されます。遺言書には、以下の3種類があります。

  • 自筆証書遺言
  • 公正証書遺言
  • 秘密証書遺言

そのうちの一つの秘密証書遺言は、内容を公開せず、公証人が遺言書を作成したことを証明する方式です。偽造や改ざんのリスクがない一方で、紛失の恐れがあります。また、作成コストもかかるなど、あまり作成する利点はありません。そのため、利用件数が非常に少ない遺言書となっており、現在では自筆証書遺言・公的証書遺言で作成されることがほとんどです。

ここでは、一般的な遺言書の「自筆証書遺言」と「公正証書遺言」について解説します。

自分で作れる自筆証書遺言

自筆証書遺言とは、自らの手で書く「自筆」の遺言書のことです。特に決まった書式はありませんが、本人の手書きであることが必須です。ここでは作成方法や注意点、費用目安について紹介します。

自筆証書遺言の作成方法

自筆証書遺言を作成する流れは、以下のとおりです。

  1. 財産目録を作成する
  2. 自筆証書遺言を手書きで書き、押印する

財産目録とは、一定の時点において保有しているすべての資産(不動産・預貯金・有価証券など)と負債(ローンや借金など)をまとめたものです。

例えば不動産なら登記事項証明書の一部を、預貯金なら通帳のコピーを添付する方法があります。なお、財産目録はパソコンで作成しても構いませんが、署名および押印が必要です。後々のトラブルを防ぐためにも、遺言書では「誰に、何を相続させるのか」を明確にしましょう。以下では、遺言者「山田太郎」さんが土地と建物、預貯金を相続させたい場合の自筆証書遺言の記載例を紹介します。

自筆証書遺言を作成する際の注意点

自筆証書遺言書に決まった書式はありませんが、民法において、さまざまなルールが定められています。具体的なルールの内容は、以下のとおりです。

  • 自筆証書遺言書で認められるのは、本人による手書きのみ
  • 作成した日付は、年月日で記載する
  • 本人による押印が必要
  • 文章の訂正や削除した部分には、押印が必要

なお、財産目録をパソコンで作成して裏表に印刷した場合は、両面に押印が必要となります。押印は認印でも問題ありません。

また、法務局では遺言書作成の相談はできません。個別具体的な内容は、法律の専門家に依頼する必要があります。

自筆証書遺言作成の費用目安

基本的に、自筆証書遺言の作成費用はかかりません。紙とペンがあれば、誰でも作成できます。

法務局の「自筆証書遺言書保管制度」を利用する場合は、1件あたり3,900円かかります。自筆証書遺言書保管制度とは、2020年から始まった制度で、法務局において遺言が適切に管理・保管される制度です。

紛失や盗難の恐れがなく、破棄や隠匿、改ざんを防げます。また、検認が不要で、速やかな相続手続きが可能になるなど、多くのメリットがあります。

証人が立ち会って作る公正証書遺言

公正証書遺言とは、2人以上の証人が立ち会い、公証人によって作成される遺言書のことです。公証役場で作成し、遺言の内容を確認して署名・捺印します。詳しい作成方法や注意点、費用目安について解説します。

公正証書遺言の作成方法

公正証書遺言を作成する流れは以下のとおりです。

  1. 必要な書類を集める
  2. 士業や公証人に遺言書作成を依頼する
  3. 2人以上の証人を立てる
  4. 作成日を予約する
  5. 公証役場へ行き手続きする

まずは、遺言書を作成するうえで必要な書類を集めましょう。

  • 遺言者と相続人の戸籍謄本
  • 遺贈者(親族以外の相続人)の住民票か手紙・ハガキなど
  • 預貯金通帳のコピー
  • 固定資産税納税通知書または固定資産評価証明書
  • 登記事項証明書(登記簿謄本)
  • 有価証券

また本人確認のため、書類と印鑑も必要となります。以下のいずれかを準備しましょう。

  • 印鑑登録証明書と実印
  • 運転免許証と認印
  • マイナンバーカードと認印
  • 住民基本台帳カード(写真あり)と認印
  • パスポートと認印
  • 身体障害者手帳と認印
  • 在留カードと認印

その後、2人以上の証人を立てて、公証役場で遺言書を作成します。作成した遺言書を公証人が読み上げて、内容に相違がなければ遺言者は実印を、証人は認印を押印して完了です。

公正証書遺言を作成する際の注意点

遺言書には、「遺留分」があるため、注意しましょう。

遺留分とは、亡くなった人の配偶者・子ども・両親や祖父母に与えられた、最低限度の保障されている遺産取得分のことです。

例えば友人に全財産を譲りたいと思って遺言書を作っても、遺留分があるため、一定分は親族に配分されます。たとえ遺言書に「遺留分の請求を認めない」と書いてあっても、遺留分権利者は、侵害した相手に対して「遺留分侵害請求」ができるのです。公正証書遺言だからといって、遺言者の意向がすべて反映されるわけではありません。

もう一つの注意点は、公正証書遺言では証人を2名以上立てる必要があることです。なお、以下の人々は引き受けられません。

  • 未成年者
  • 推定相続人
  • 受遺者(遺言によって財産を相続する人)
  • 推定相続人・受遺者の直系親族
  • 公証人の配偶者・四等身内の親族・書記・使用人

自分で証人を探しても良いですが、公証人役場の紹介や士業へ依頼するなどの方法もあります。

公正証書遺言作成の費用目安

相続価額によって変わりますが、公証人に依頼した場合、公正証書遺言の作成手数料はおおむね5,000〜3万円程度です。

戸籍謄本や登記事項証明書などの書類取得では、1件あたり数百円程度です。また、遺言公正証書の謄本の交付においては、1枚につき250円の手数料が加算されます。一方、公証人への相談はすべて無料です。

なお、遺言公正証書の作成が病床で行われたときは、上記の金額に50%加算されることがあります。さらに、公証人の日当や交通費がかかることもあります。安心が担保できる代わりに、一定の費用が掛かる点は注意してください。

遺言書作成を依頼できる4つの専門家

遺言書作成を依頼できるのは、以下の4つの専門家です。

  • 行政書士
  • 司法書士
  • 弁護士
  • 公証人

それぞれの特徴をふまえ、遺言書の作成を依頼した際の費用も紹介します。

1.行政書士

行政書士は、行政手続きにおいて豊富な知識がある専門家です。地域に根ざした行政書士が多く、気軽に相談できる存在です。遺言の作成における疑問点や不安を解消し、遺言者自身が望む内容を適切に文書化するためのサポートをおこないます。

行政書士に依頼すると、書類の不備による無効化を防げ、必要書類の収集の手間が省けます。また、他の専門家と比べて一般的に費用が低めに設定されているため、手軽に依頼できるメリットもあります。

一方で、行政書士は相続人同士のトラブルが起きた場合には対応できません。万が一、相続人同士で争いが起きた場合は、改めて弁護士に依頼する必要があります。行政書士に遺言書作成を依頼した場合、5〜35万円程度、遺言公正証書の証人就任にかかる費用は1〜3万円程度です。

2.司法書士

司法書士は主に不動産登記や商業登記を行うことで知られていますが、遺言書の作成にも対応可能です。登記において専門性が高い士業であるため、遺言書の中に不動産の所有権移転の記載がある場合は、その手続きをスムーズに行えます。

なお、司法書士も行政書士と同じく、遺言に関するトラブルで訴訟が発生した場合、法的な代理人として対応できません。そのため、遺言に関連する法的な争いや、複雑な遺産相続問題に直面する可能性がある場合は、弁護士へ相談しましょう。

司法書士に遺言書作成を依頼した場合の費用は、10〜40万円程度、遺言公正証書の証人就任にかかる費用は1〜3万円程度です。

3.弁護士

弁護士は、遺言書の作成において専門知識を活かし、遺言者の意志が正確に反映される形で文書化できるよう支援します。法的な問題点や権利を総合的にふまえ、適切にアドバイスができます。さらに、遺言内容に基づいた遺産分割協議のサポートも可能です。

弁護士に遺言書の作成を依頼するメリットは、万が一相続人同士でトラブルが起きた際にも、法的代理人として訴訟や協議に対応できることです。一方で、他の専門家に比べて高額な費用がかかるデメリットもあります。

弁護士に遺言書作成を依頼した場合の費用は、30〜60万円程度です。そのほか相談料として、1時間1万円程度の費用がかかるケースもあります。

4.公証人

公証人は法務大臣から任命された、公証業務を行う法律の専門家です。相続においては、公正証書遺言の作成をおこないます。公証人は裁判官や検察官・弁護士などを経て任命された人ばかりで、豊富な経験と専門知識から、遺言書作成における的確なアドバイスがもらえます。新しい制度にも精通しており、依頼主の思いを反映できる、最適な公正証書遺言作成が可能です。

公証人に依頼する際は、公証役場へ足を運ぶ必要があります。ただし、病床にふせっている場合はこの限りではありません。遠方にある場合は、アクセスしにくいことも考えられます。相談は無料で、手数料は以下のように法令で基準が定められています。

(画像出典:日本公証人連合会

遺言書が無効になるケース

法律上、遺言書は定められた形式で書く必要があり、要件を満たさないものは無効となる場合があります。無効になる具体的なケースは以下のとおりです。

  • 具体的な日付や署名・押印がない
  • 書式に不備がある
  • 自筆でない
  • 脅迫されて作成した
  • 認知症など、遺言能力がない状態で作成した
  • 15歳未満の人が作成した
  • 内容が明確でない
  • 内容が公序良俗に違反している
  • 新しい遺言書が発見され、内容に矛盾がある

特に自筆証書遺言の場合、記載不備によって無効となるケースも少なくありません

遺言書を正確に作成したい場合は、行政書士や司法書士などの専門家へ依頼するのがおすすめです。

遺言書を作らないとどうなる?

遺言書を作成しないからといって、罰則を受けることはありません。もしも遺言書を作らなければ、法定相続人同士で遺産は分配されます。ただし、相続トラブルを避けたいとお考えであれば、遺言書は作っておいたほうが良いでしょう。遺族のあいだで円満な話し合いとなれば良いのですが、そうならないケースもあるからです。

また、遺言書を作成しておけば、法定相続人以外の方にも財産を遺贈できます。遺言書を作らない場合は、メリットよりもデメリットの方が大きいといえるでしょう。

自分で遺言書作成する際に便利なサイト・ツール

初めての遺言書において、1から自分で作成するのは大変です。法務局では自筆証書遺言の申請書や届出、請求書をホームページで提供しています。ここでは、作成に便利なアプリ・AIについて紹介します。

法務局の申請書・届出書・請求書

法務局のホームページでは、遺言書に関する書類を無料で提供しています。自筆証書遺言の作成をお考えの方は、以下のサイトからダウンロードしてみてください。

遺言書の用紙例はこちらから

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遺言作成アプリ・AI

遺言書を作成できるアプリや、AIも登場しています。チャットボット仕様で、質問に答えるだけで遺言書が作れます。中には、法律の専門家が監修しているものもあり、正確な遺言書作成のサポートが可能です。

アプリやAIなら、何度も書き直しができるので、下書きの代わりとしても利用できます。無料から気軽に試せますが、個別にオーダーメイドで作成したい場合は、有料で法律の専門家に依頼できるタイプもあります。

注意点は、実際の遺言書として使う場合、必ず自筆で書いて押印する必要があることです。アプリやAIで書いたものをそのまま印刷しても、無効となってしまうので注意しましょう。

遺言書作成をお考えなら「相続・遺言の窓口」へ!

遺言書作成は、一般的に自筆証書遺言と公正証書遺言があります。自筆証書遺言書は自分で作成できる手軽さがありますが、法的な効力が低い点に注意が必要です。一方、公正証書遺言は、法的効力や安全性が高い作成方法ですが、作成には一定の手続きと費用がかかります。そのため、遺言の目的や状況に応じて、作成方法を選ぶ必要があります。

なお、遺言書を有効にするためには、専門家へ作成サポートを依頼するのがおすすめです。「遺族の窓口」では、遺言書作成で経験豊富な行政書士が、親身になって対応いたします。初めての相続では不安なことが多いかもしれませんが、そのようなときにこそ「遺族の窓口」までご相談ください。

遺言書の効力はどこまである?認められる範囲や無効になるケースを解説

故人が遺言書を残していた場合、民法により遺言書に記載してある内容が相続において優先されると定められています。これだけ聞くと、どのような遺言書でも効力を発揮するように思われますが、実際には効力の及ぶ範囲とそうでない範囲があります。また、せっかく作成した遺言書でも効力が無効になるケースもあるため、作成には注意が必要です。

本記事では、効力が及ぶ範囲と及ばない範囲、遺言書の効力が発揮される期間や書くときの注意点を解説します。これから遺言書を作成しようと考えている人は、ぜひ参考にしてください。

遺言書の効力が及ぶ範囲

遺言書に記載されている全てが効力を発揮するとは限りません。これは民法で規定されており、実際に効力のおよぶ範囲として決められているのは以下のとおりです。

  • 相続人・相続配分の指定および廃除
  • 非嫡出子の認知
  • 遺言執行者の指名
  • 後見人の指名
  • 遺産分割方法の指定
  • 遺産の寄付先
  • 生命保険受取人の変更

それぞれどのような内容なのか、詳しく見てみましょう。

相続人・相続配分の指定および廃除

相続人や相続配分の指定、法定相続人のうち廃除する人物について遺言書に記載がある場合は、遺言書の効力が発揮されます

相続人は、配偶者と民法で定められている第3順位までに該当する人物が相続人として認められています。しかし、遺言書において内縁の配偶者や第三者に相続する旨が記載されている場合は、相続人として認められるのです。同様に法定相続人であっても、相続させない、生前に虐待などを受けていたという主旨の文章が残されていれば、該当の人物が相続人から廃除されます。

また、相続財産の割合についても言及が可能です。相続人以外への遺贈はその最たる例ですし、配偶者や長男など、特定の人物に全財産を相続するなどの記述もこれに該当します。

非嫡出子の認知

非嫡出子とは、婚姻していない相手との間にできた子どものことです。遺言書で非嫡出子がいるということを書いておくことで、その子どもの認知と相続が可能になります。遺言書で子どもの認知を行うのに適しているパターンとして、生前に認知を認めるとトラブルに発展する恐れがある場合が挙げられます。

遺言執行者の指名

遺言執行者とは、被相続人の死後に金融機関の名義変更手続きや不動産の相続登記などを行う人物のことです。遺言書でこの人物を指名することにより、自身の死後の手続きを円滑に進められる場合があります。

また、遺言執行者を指名できる人物を指名することもできます。どちらの方がいいかは、被相続人の家族との関係にもよるため、遺言書作成前に検討しておくと良いでしょう。

後見人の指名

被相続人が死亡することによって未成年の子どもだけが残されてしまうような場合、その子どもの後見人を指名することができます。後見人は子どもに代わって遺産分割協議や死後の手続きを行えます。

遺産分割方法の指定

遺言書には、遺産分割の方法についての指定や禁止を明記することができます。具体的には相続財産の配分や、土地・不動産の相続方法について具体的な指示を出すことが可能です。また、本来相続人にはならない第三者に対して相続することができます。

遺産分割の禁止については、相続開始から5年以内であればこれを禁ずることができます。この方法を使って冷却期間を置き、落ち着いた後で相続させるという手法で使われることもあるようです。

遺産の寄付先

相続人がいない、もしくは相続人には相続財産を相続させたくない場合、死後の財産を慈善団体や法人に寄付することができます。寄付先については遺言書に記載しておく必要がありますが、何らかの事情で相続財産を相続人に渡したくない場合などに有効な方法です。

生命保険金受取人の変更

遺言書に記載しておくことにより、生命保険金の受取人を変更することができます。通常、生命保険の受取人の変更は、保険会社に申請をして契約変更の手続きをしなければなりません。しかし、遺言書に記載がある場合は例外です。もし本来決めていた生命保険金受取人を変更したい場合は、遺言書にその旨を記載しておきましょう。

遺言書の効力が及ばない範囲

遺言書に記載があっても、効力を発揮しない項目があります。具体的には次の3つです。

  • 養子縁組や結婚・離婚に関する内容
  • 遺留分を侵害する内容
  • 事業承継方法などの希望
  • 臓器提供などの遺体処理方法の希望

なぜこれらは遺言書に記載があっても効力を発揮しないのか、詳しく解説します。

養子縁組や結婚・離婚に関する内容

遺言書に養子縁組や結婚、離婚について記載しても効力は発生しません。遺言書では、非嫡出子の認知以外の身分のことを記載しても無効になると規程されています。特定の人物に相続させる、あるいは相続人から除外する場合は、養子縁組や婚姻関係に言及するのではなく、人物名を出して相続の手続き上どうするのかを明記しておきましょう。

遺留分を侵害する内容

遺留分とは、遺言者の相続人が最低限受け取れる遺産のことです。これは民法によって侵害することができないものと記されており、仮に遺言書に「全財産を○○に譲る」と記載されていても最低限の財産は相続人に相続されます。つまり、全財産を特定の誰かに相続させるということは、法律上不可能なのです。

事業継承方法などの希望

被相続人が会社経営者であった場合、自身の思いとして事業承継の方法を記載するかもしれません。一見すると有効そうに見えますが、遺言書内に書かれた事業承継方法はあくまでも故人の希望とみなされ、公的な効力が発生しないのです。事業承継に関して思うところがある場合、生前からその旨を伝えておかなければならないのです。

臓器提供などの遺体処理方法の希望

付言事項と呼ばれる追伸のような内容に、臓器提供の意思表示や遺体の処理方法について記載する人がいますが、こちらも無効です。事業承継方法と同じく、あくまでも故人の希望というレベルで処理されるため、法的拘束力は発生しません。

遺言書が効力を発揮する期間

遺言書が効力を発揮するのは、遺言書を作成した人物がなくなった時からです。作成した人物を遺言者と呼びますが、その人物が死亡するまでは遺言書は効力を発揮しません。そのため、遺言者が死亡しない限り、相続予定の財産に手を出すことは誰もできないのです。

また、遺言書の有効期限は設けられておらず、何年前のものであっても有効とされます。遺言者が死亡するまでの間に何度でも書き換えや新規作成ができるため、最初から完成された内容で書かなくても問題はないでしょう。ただし、一度作った遺言書の見直しなどは定期的に行ってください

効力を発揮する遺言書を書くために必要な要素

遺言書には法律が定めている厳格な様式があり、要件を満たしていない遺言書は無効と判断されてしまいます。その多くが自分自身で作成する自筆証書遺言と呼ばれるもので、公証役場が作成する公正証書遺言よりもミスが多いという特徴があります。

それでも自筆証書遺言を作成する際は、以下のポイントに気をつけましょう。

  • 相続人が全文を自筆で書く
  • 遺言書を書いた日付を記入する
  • 自筆での署名と捺印をする
  • ルールに沿った訂正や加筆が行われている
  • 書面で作成している

それぞれの項目について詳しく見ていきましょう。

相続人が全文を自筆で書く

自筆証書遺言の場合、遺言書すべてを遺言者が自筆しなければなりません。要するに手書きでなければ、遺言書として効力を発揮しないということです。

パソコンや外出という代筆もありますが、この方法で作成すると遺言書として効力を発揮しないと判断されてしまいます。例外として、財産目録のみパソコンで作成することが認められています。

遺言書を書いた日付を記入する

遺言書を書いた日付が記入されていなければ、その遺言書は無効として扱われます。遺言書全体の内容と同じく日付も自筆でなければならないというルールがあります。日付の記載漏れは、相続人に大きな迷惑をかけてしまうことになるため、忘れずに記載しましょう。

自筆での署名と捺印をする

遺言書は、署名と捺印が必要です。署名は当然自筆でなければならず、パソコンでの記入やゴム印での代用はできません。ただし、印鑑に関しては認印でも問題ないとされています。印鑑に関して特にルールはありませんが、押印していなければ遺言書として効力を発揮しない点に注意してください。

ルールに沿った訂正や加筆が行われている

遺言書の厳格なルールのひとつが、訂正や加筆にも細かな決まりが設けられている点です。例えば、訂正の際には訂正箇所に二重線を引き、その近くに押印をする必要があります。さらに、余白部分にはどこをどう直したのかを書き記した上で、署名をしなければなりません。加筆の際も同様に、吹き出しなどで文章を書き出し、予約部分に書き出した内容を記して署名する必要があるのです。

訂正や加筆が少なければ問題ありませんが、ルールが非常に複雑であるため、自信がなければイチから書き直した方がいいでしょう。

書面で作成している

遺言書は必ず書面で作成しなければならないというルールがあり、録音や録画などの方法で遺言を残すことはできません。文章で書くのが億劫という意見もあるかもしれませんが、法律で定められていることです。遺言書は必ず書面で作成しましょう。

遺言書に関するよくある質問

複数の遺言書が出てきた場合に効力を発揮するものはどれ?

内容に相違がなければどちらも有効な遺言書として判断されます。内容が異なる遺言書が見つかった場合、遺言書内に記載されている日付が新しい方が有効とみなされます。

遺言書の内容に異議があり従えない場合はどうしたらいい?

遺留分の主張をしましょう。民法によって相続人全員に保証されている権利であるため、これをもとに金銭の請求ができます。また、相続人全員の同意があれば、遺言書を無視して相続割合を別で決定することも可能です。

認知症が認められる状態での遺言書に効力はある?

認知症の程度によって異なりますが、意思能力ありと認められる場合は有効となります。とはいえ、認知症を患った状態で作成された遺言書についてはトラブルの火種になることも珍しくありません。この場合は自筆証書遺言ではなく、公正証書遺言での作成をおすすめします。ただし、公正証書遺言であっても必ずしも有効と判断されるわけではありません。

遺言書作成にお困りなら「遺言の窓口」へご相談を

遺言書には効力を発揮する範囲とそうでない範囲があります。また、遺言書の作成自体に非常に厳格なルールが定められているため、ひとりでは作成できない人もいるでしょう。代筆なども認められていないため、遺言書作成をあきらめてしまう人もいるかもしれません。
そんな時には「遺言の窓口」までご相談ください。相続の経験豊富な行政書士が、公正証書遺言書作成を全面的にサポートします。遺言書の作成をしたいが何を書けばいいかわからない、書式や様式がわからず死後のトラブルが不安という方は、ぜひ一度お問い合わせいただくことをおすすめします。