【令和8年度税制改正】相続税・贈与税の実務はどう変わる?資産別解説

令和8年度税制改正により、相続税・贈与税の実務に影響を与える見直しが行われました。特に重要なのは、不動産評価の見直し、教育資金一括贈与の非課税措置の終了、事業承継税制の計画提出期限の延長です。本記事では改正内容を正確に整理し、資産別の実務ポイントまで解説します。

1.貸付用不動産等の評価方法の見直し

相続・贈与直前(5年以内)に取得した貸付用不動産や不動産小口化商品について、従来の通達評価ではなく「通常の取引価額(時価)」による評価を原則とする仕組みに改められます。

適用時期:令和9年1月1日以後に開始する相続・贈与から適用。

これにより、直前取得による評価差を利用した節税対策は慎重な検討が必要になります。

2.教育資金一括贈与の非課税措置の終了

教育資金一括贈与制度は、令和8年3月31日までの新規契約・拠出が対象となります。それ以降は新規適用ができません。

なお、既存契約分については従来どおり非課税の取り扱いが継続されます。

3.事業承継税制の計画提出期限延長

今回延長されるのは納税猶予制度そのものではなく、「特例承継計画の提出期限」です。制度は継続され、活用機会が維持されます。

4.資産別に見る改正の影響

 不動産を多く保有している方

取得時期と保有期間が税額に直結します。特に直前取得物件や小口化商品は慎重な検討が必要です。

上場株式・金融資産を多く保有している方

金融資産は原則時価評価のため、不動産ほど評価差は生じませんが、相場変動タイミングや贈与時期が税負担に影響します。

預貯金中心の方

 

評価減の余地がないため、生前贈与の計画的実行や遺言書作成の重要性が高まります。

まとめ

令和8年度税制改正では、不動産評価の見直し(令和9年1月1日以後に開始する相続・贈与から適用)、教育資金贈与の新規適用終了、事業承継税制の計画提出期限延長が明確になりました。制度改正を踏まえた早期対応が安心につながります。