遺族年金の手続き方法と期限

家族が亡くなった場合、遺族年金を受給できる可能性があります。

遺族年金を受け取ることで、今後の経済的な不安を軽減することにつながります。

今回は、遺族年金の手続き方法と手続きの期限について、解説していきたいと思います。

遺族年金の手続き方法

遺族年金は以下のような流れで手続きをすすめていきます。

 

  • 年金請求書を記載する
  • 必要書類の準備
  • 年金証書と年金決定通知書を受け取る

 

それぞれ確認していきたいと思います。

年金請求書を記載する

年金請求書とは、亡くなった方と遺族年金を請求する方の情報を記入するための書類です。

亡くなった方の氏名や生年月日などの基本的な情報から、公的年金制度の加入履歴やその他必要な情報などを詳細に記載していくことになります。

年金請求書は、年金事務所や街角の年金相談センターの窓口で受け取ることができます。

必要書類の準備

年金請求書には以下のような必要書類を添付する必要がありますので、添付書類について準備をする必要があります。

 

  • 基礎年金番号通知書や年金手帳など基礎年金番号がわかるもの
  • 戸籍謄本または法定相続情報一覧図の写し
  • 世帯全員の住民票の写し
  • 請求者と子どもの収入がわかる書類
  • 死亡診断書のコピーまたは死亡届の記載事項証明書
  • 振り込みを希望する口座の通帳またはキャッシュカード

 

年金請求書と上記の必要書類が準備できたら、郵送などによって提出していくことになります。

年金証書と年金決定通知書を受け取る

年金請求を行うと、日本年金機構から年金証書と年金決定通知書が送付されます。

年金証書とは、年金を受給する権利を持っていることを証明するものです。

書類には基礎年金番号が記載されており、年金に関連する手続きを行う際に必要となることがあります。

年金決定通知書とは、支給される年金の額が決定された際に送付されるものです。

書類には、受給する年金の具体的な金額が記載されています。

手続きの期限

遺族年金の請求期限は、生計を維持していた人が亡くなった翌日から5年以内です。

ただし、時効が消滅しないようにするために、理由を書面で記載して申立て手続きをすれば、時効期限が延びる場合もあります。

まとめ

今回は、遺族年金の手続き方法と手続きの期限について、確認していきました。

遺族年金の請求手続きには多くの書類や手間が必要となります。

自身で手続きを進めるのが難しい場合には、社会保険労務士に相談することを検討してみてください。

遺留分とは、一定の相続人に認められた、遺言によっても奪うことのできない遺産の一定割合のことをいいます。

財産を受け渡す側が財産を特定の相続人などに移転させるために、遺留分についてできる対策はどのようなものがあるのでしょうか。

今回は、遺留分を考慮した生前対策の方法について解説していきたいと思います。

遺言書による対策

遺言書を作成し、遺留分を超えない範囲で誰にどの財産を相続させるかなど、自身の希望を反映させた具体的な内容を定めておくことによる対策が挙げられます。

遺言書には付言事項といわれる、遺言書のなお書きのような部分を付け加えることも可能です。

付言事項として「遺産トラブルを起こさず、家族が仲良くするようにと願っています」などの思いを書き残すことによる、遺留分侵害額請求をあえてしようという気持ちが弱まるかもしれません。

また、行政書士などの専門家に相談しながら遺言書の作成をすすめることで、自身の希望を適切に反映させた遺言書の作成におけるサポートを受けられることが期待できます。

遺言書を作成して、法的な信頼性の担保のため、公正証書の形で残すなどの対策についてもアドバイスを受けながらすすめることができます。

生命保険の活用による対策

終身型の死亡保険の活用による対策が挙げられます。

被保険者が亡くなったときには、受取人に死亡保険金が支払われることになるため、保険料を一時払いで支払うことにより、現金や預金といった資産を保険金に変えることができます。

死亡保険金は、相続財産として取り扱われないという特徴があります。

相続財産として取り扱われないということは、遺留分の対象ともなりません。

ただし、生命保険の活用も、遺産総額に対して50%程度など過度な利用となると、相続財産と扱われて、遺留分の対象となる可能性があるため、利用する割合については注意が必要です。

まとめ

今回は、遺留分を考慮した生前対策の方法について確認していきました。

生前贈与などの生前対策については専門的な知識が必要となり、自身ですすめると遺言書の形式の不備で遺言が無効となり、多額の贈与税がかかってしまう可能性もあります。

自身の意思を反映させて、将来の円満な相続を実現するためにも、生前対策についてお悩みの場合には、専門的な知識をもつ行政書士に相談することを検討してみてください。

遺言には自筆証書遺言、公正証書遺言、秘密証書遺言などの種類があり、それぞれ法律で定められた手順で作成していく必要があります。

今回は、公正証書遺言を作成するメリットと作成手順について解説していきたいと思います。

紛失や偽造のリスクが低い

公正証書遺言を作成するメリットとして、紛失や偽造のリスクが低くなるということが挙げられます。

また、公正証書遺言の原本は、公証役場に保管されるため、遺言者が亡くなった後、遺族が遺言書を見つけられないという心配がありません。

無効になる可能性が低い

公正証書遺言を作成するメリットとして、無効になる可能性が低いということが挙げられます。

公正証書遺言は法律の専門家である公証人が作成します。

遺言の要件を満たしているか、遺言者の意思を正確に反映しているかを公証人が慎重に審査することになるため、無効になる可能性が低くなります。

作成手順

公正証書遺言を作成するためには、以下のような手順を進めていきます。

 

  • 必要書類の準備
  • 遺言の原案の作成
  • 証人を依頼する
  • 公正証書遺言を作成する

 

それぞれ確認していきたいと思います。

必要書類の準備

以下のような書類が必要となりますので、準備をしていく必要があります。

 

  • 遺言者の印鑑証明及び実印などの本人確認
  • 遺言者と相続人との続柄がわかる戸籍謄本
  • 財産を相続人以外の人に遺贈する場合にはその人の住民票など
  • 証人の免許証の写しなどの本人確認、認印
  • 不動産が含まれる場合は、登記事項証明書、固定資産税評価証明書など
  • その他財産がわかる資料の写しまたは明細一覧表

遺言の原案の作成

遺言の内容を決めて公証役場に提出します。

原案は、遺言者の意思を正確に反映したものである必要があります。

証人を依頼する

証人を2名以上決めて、その人の氏名、住所、生年月日、続柄などを公証役場に提出します。

証人は、遺言者の意思を正確に把握し、公正証書遺言の作成に協力できる人を選ぶ必要があります。

公正証書遺言を作成する

証人が立会いのもと、遺言者が遺言の趣旨を公証人に口述します。

公証人が遺言者の口述を筆記し、これを遺言者、証人に読み聞かせ、または閲覧させます。

遺言者、証人が、筆記の正確なことを承認して署名、押印します。

まとめ

今回は、公正証書遺言を作成するメリットと作成手順について確認していきました。

公正証書遺言は、紛失や偽造のリスクが低く、無効になる確率が限りなく少ないなどのメリットがあるため、自身の意思を反映させた遺言を残せる可能性が高まります。

遺言書の作成についてお悩みの場合には、専門的な知識をもつ行政書士へ相談することを検討してみてください。

死後事務委任契約を活用することで、死亡手続きの際に家族などに負担をかけずに自身の思いを反映させられる可能性があります。

今回は、死後事務委任契約における必要書類と手続きの流れについて解説していきたいと思います。

死後事務委任契約における手続きの流れ

死後事務委任契約における手続きは以下のような流れになります。

 

  • 依頼内容を決める
  • 代理人を決める
  • 契約書を作成し、公正証書にする

 

それぞれ確認していきたいと思います。

依頼内容を決める

はじめに、死後事務委任契約で実現したいことや死後の手続きにおいて不安に思っていることを明確にして、依頼する死後事務の内容を決定します。

死後事務委任契約でできることの範囲内で委任内容を検討し、できないことは遺言など他の方法も合わせて検討する必要があります。

代理人を決める

死後事務委任契約を依頼する代理人を決めていきます。

死後事務委任契約の代理人には、特別な地位や条件、資格は要求されません。

ただし、認知症の高齢者など、契約などの法律行為ができない人は代理人になれません。

一般的には、友人や知人、弁護士や司法書士や行政書士、社会福祉協議会、民間企業などが代理人の候補として挙げられます。

契約書を作成し、公正証書にする

死後事務委任契約の締結にあたっては、依頼者の生前の意思を明確化し残すためにも契約書といった書面を作成していきます。

死後事務委任契約書を作成したら、公証役場で公正証書にしていきます。

公正証書にしなくても契約は有効ですが、契約の信頼性の担保に重きをおくなら公正証書にした方がいいかもしれません。

また、公正証書にしておけば、たとえ契約書を紛失したとしても公証役場で再発行することができるというメリットもあります。

必要書類について

契約書を公正証書にする際には、下記のいずれかが必要となります。

 

  • 実印+印鑑証明書(発行後3カ月以内のもの)
  • 認印+顔写真付きのマイナンバーカード
  • 認印+自動車運転免許証
  • 認印+顔写真付きの住民基本台帳カード

まとめ

今回は、死後事務委任契約における必要書類と手続きの流れについて確認していきました。

死後事務委任契約を活用することで死後の手続きおける不安を解消できる可能性があります。

死後事務委任契約について検討している方や、死後の手続きについて不安に思っている方は、専門的な知識をもつ行政書士に相談することを検討してみてください。

死後事務委任契約とは、自身の死後に自らの希望に沿った届出や葬儀や埋葬などさまざまな手続きを対応してもらうために、あらかじめ手続きを任せる人などを決めておく契約のことをいいます。

今回は、死後事務委任契約を検討すべきケースについて解説していきたいと思います。

家族や親族に負担をかけたくないケース

家族や親族に余計な負担をかけたくない場合、死後事務委任契約の利用を検討する必要があります。

死後に手続きが必要な内容は、非常に時間と手間がかかるものです。

通常であれば、家族や親族がそれらの手続きをしなければならないため、家族が高齢な場合や遠方に住んでいる場合などは、負担が大きくなってしまう可能性が高くなります。

このような場合には、死後事務委任契約を利用して死後の煩わしい手続きを代行してくれる人を確保しておくことを検討したほうがいいかもしれません。

家族や親族がいないケース

家族や親族がいない場合、死後の手続きについて頼れる人がいない場合は、死後事務委任契約の利用を検討する必要があります。

自治体や社会福祉協議会などが代わりに対応してくれるケースもありますが、任せられることには限りがありますし、対応していない場合もあります。

死後事務委任契約を利用して、死後の手続きについて自分が望む対応の仕方を任せておくことで自らの意思を反映させた手続きをすすめることができる可能性が高まります。

内縁や事実婚の夫婦や同性カップルのケース

法律婚をしていない内縁の夫婦や同性カップルの場合、パートナーが法定相続人ではないため、死後事務を行えない可能性があるため、死後事務委任契約の利用を検討する必要があります。

死後事務委任契約を締結しておけばパートナーに死後事務を任せられます。

また、パートナーに財産を相続させたい場合は、死後事務委任契約と合わせて遺言書の作成を検討しておくことで、パートナーへの財産相続を実現させることができます。

まとめ

今回は、死後事務委任契約を検討すべきケースについて確認していきました。

死後事務委任契約を活用することで、家族や親族に負担をかけずに死後事務を行ってもらえる可能性があります。

また、頼れる家族がいない場合でも、自身の希望に沿った死後事務を行ってもらえる可能性が高まります。

死後事務委任契約についてお悩みの場合には、専門的な知識をもつ行政書士に相談することを検討してみてください。

年金を受け取っていた人が亡くなると、未支給年金が発生することになります。

今回は、未支給年金を受け取れる条件と請求方法について解説していきたいと思います。

未支給年金を受け取れる条件

未支給年金を受け取る条件は、年金受給者などが死亡した時点で、生計を同じくしていたことになります。

故人と生計が同じでない場合には、たとえ相続人であっても、未支給年金を受け取ることはできません。

対象の遺族の中で優先順位が決まっており、配偶者、子、父母、孫、祖父母、兄弟姉妹、3親等以内の親族の順番で、優先順位が高い人がもらえることになります。

子が何人もいて全員が生計同一要件も満たす場合、1名が代表で受け取ることになります。

生計同一とは?

生計を同じくするということは、基本的に故人と同居していた人のことを指します。

ただし、単身赴任、施設入所や病院入院などのための別居の場合でも、継続的に経済的な援助が行われていた場合などには生計同一と認められる場合もあります。

経済的な援助は、現金だけではなく、物的な援助も含まれます。

未支給年金の請求方法

未支給年金の請求手続きは、亡くなられた方が厚生年金に加入されていた場合、最寄りの年金事務所で行います。

国民年金だけ加入された方は、市区町村役所で手続きが可能です。

共済年金期間などがある場合には、加入していた共済組合で手続きを行うことになります。

未支給年金請求書に必要な添付書類を添付して手続きをすすめていきます。

必要な添付書類については、以下のような書類になります。

 

  • 戸籍謄本または法定相続情報一覧図の写し
  • 戸籍だけでは死亡者と請求者の関係が確認できない場合には、現戸籍
  • 請求者のマイナンバーカードまたは個人番号通知者
  • 死亡者の年金証書
  • 死亡診断書のコピーまたは死亡届の記載事項証明書
  • 未支給年金の振り込みを希望する口座の通帳またはキャッシュカード
  • 死亡者と請求者が別居している場合には、生計同一申立書

 

生計同一申立書の中には、第三者の証明欄が設けられており、その内容について第三者からの証明が必要となります。

まとめ

今回は、未支給年金を受け取れる条件と請求方法について確認していきました。

未支給年金の手続きには様々な書類が必要となり、別居していた場合には生計同一性を証明する書類の準備が必要となります。

未支給年金の手続きについてお悩みの場合には、専門的な知識をもつ社会保険労務士に相談することを検討してみてください。

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